退職代行サービスを使われた、もしくはまだ使われたことはないものの退職代行サービスについてよく知らないという会社の担当者は、「退職代行サービスからの連絡を無視したらどうなるのか」「退職代行サービスから電話がきたらどのように対応をすればよいのか」という疑問を抱えている人が多い傾向にあります。
今回はそのような人事や総務担当者に向けて、退職代行業者からきた連絡を無視すると会社にどんなデメリットやトラブルの可能性があるのかから始まり、正しい会社側の対応とはどのようなもので、退職代行サービスはどんな流れで進み、今後退職代行サービスを使われないために会社側の対応はどうすべきか、という点までを解説していきます。
まずは、退職代行サービスとはどのようなもので、連絡を無視した結果どのようなデメリットやトラブルが考えられるのかについて下記で解説していますので、退職代行サービスが何か具体的にイメージできていないという人もぜひ確認してみてください。
- 退職代行の連絡を無視したらどうなる?連絡を無視した結果・デメリットとトラブルになった実例5選
- 連絡を無視せず使われた退職代行を「逆に利用する」!退職代行業者への正しい会社側の対応
- 会社側の対応の流れとは?トラブル回避のための注意点も紹介
- 【退職理由別】もう退職代行を使われないための会社側の対応4選!
- 退職代行の連絡を無視するとどうなる?デメリットやトラブルの実例とは、まとめ
退職代行の連絡を無視したらどうなる?連絡を無視した結果・デメリットとトラブルになった実例5選
退職代行サービスからの連絡を無視するとどうなるのかを知りたいという担当者は多いかと思いますが、そもそも退職代行サービスとは何かを先に解説しておくと、退職代行サービスとは「退職希望者に代わって会社を辞めたいという意思を会社に伝えるサービス」です。
会社側からすると突然知らない退職代行業者から連絡が来るため、「退職代行サービスを使って辞めるなんてクズだ」「自分で伝えることもできないなんて」と感じるかもしれません。
社会人としてのマナーを考えれば「退職希望者が直接会社へ退職の意思や退職理由を伝えるべき」というのが一般的であることはもちろんですが、退職代行サービスを使う退職希望者はそれができない状況に追い込まれていることも確かです。
例えば、クズ上司からのハラスメントで精神的に追い込まれていたり、性格的に直接言うことが難しかったりなど、何らかの懸念があって会社に行かずに退職することができる退職代行サービスを使っていることが多いといえます。
▶退職代行とは?使われた会社側がすべき対応と絶対NGの対応
下記では会社側の対応として退職代行サービスからの連絡を無視してしまった場合のトラブルやデメリットの実例を紹介していますが、退職代行サービスを使って辞めるなんてクズだと決めつけることで連絡を無視してしまうと同様のトラブルに巻き込まれて後悔が残る可能性が考えられます。
退職代行の連絡を無視した結果① 退職希望者の退職は自動的に成立してしまう
会社側の対応として退職代行サービスからの連絡を無視したとしても、退職代行業者から連絡があり退職希望者が辞めたいと意思表示をした日から2週間が経過すれば、退職は成立すると法律で定められています。
そのため、会社の対応として「退職代行サービスを使うのであれば退職すること自体を認めない」という姿勢を見せるために連絡を無視したとしても、退職希望者からすれば会社に行かずに退職が成立するため、連絡を無視する意味がなくなってしまいます。
連絡を無視したデメリットとトラブルの実例:退職希望者との連絡手段がなくなって困る
普段から人手不足に悩まされている会社が社員に退職代行サービスを使われた際、会社側が「これ以上社員を減らしたくない」という思いから退職代行サービスからの連絡を一方的に拒否し続けたという実例があります。
連絡を無視し続けたところ2週間が経過した段階で退職希望者の退職が成立してしまい、結果として引き止めることができなかったばかりか、退職希望者と連絡をとる手段がなくなってしまったため、会社からするとデメリットだけが残ってしまいました。
退職代行の連絡を無視した結果② パソコンや制服などの貸与品を回収できなくなる
「退職代行の連絡を無視した結果①」でも記載しているように、退職代行サービスからの連絡だったとしても、退職希望者が会社を辞めたいという意思表示をしてから2週間が経過すれば退職が成立することになります。
そのため、2週間退職代行サービスからの連絡を無視して退職が成立したあとで、パソコンや社用の携帯電話、制服などの貸与品などを回収しようとしても、退職希望者と連絡を取る手段がなくなってしまっているため回収できなくなってしまいます。
また、連絡を無視していた期間に社用携帯などへ取引先から連絡があったとしても、貸与品を回収していなかったことで対応が遅れ、取引先とトラブルになるリスクが考えられます。
連絡を無視したデメリットとトラブルの実例:再度貸与品を一式購入する必要があるため無駄なコストが発生する
「退職代行サービスを使って辞めるなんてクズだ」と決めつけてしまった会社が退職代行サービスからの連絡を無視し続けた実例として、退職が成立したあとで退職希望者に貸与したものを回収しようとしたものの連絡をとることさえできずすべての貸与品を1セット買い直すことになった、というケースがあります。
退職した社員がいる場合、一般的には新たな人材を補充する流れになるかと思いますが、そうなると回収できなかった貸与品の分を新たに買い直す必要があります。
貸与品のなかにパソコンや携帯電話などが含まれている場合、コスト面で会社側の負担が大きくなることが目に見えているため、退職代行サービスからの連絡を無視することなく最初から対応しておくことによって、このような会社側の対応によるデメリットやトラブルが起きることによる後悔を防止できます。
退職代行の連絡を無視した結果③ 退職希望者から嫌がらせと思われ悪い噂を流された
退職代行サービスからの連絡を無視していると、退職代行業者から退職希望者へ会社と連絡がつかないことが伝わるため、退職希望者から会社へのイメージが悪化してしまう可能性があります。
万が一会社へのイメージが悪化してしまった場合、退職希望者が腹いせとして「退職代行サービスを使ったのにクズ上司に連絡を無視された」「社員を辞めさせてくれないクズ会社」などと情報の真偽を問わずSNSなどに投稿し、会社のイメージを下げようとする可能性があります。
連絡を無視したデメリットとトラブルの実例:新規採用や業績に悪影響を及ぼした
会社側の対応として退職代行サービスからの連絡を無視したことにより会社にデメリットが生じた実例として、新規採用が難しくなったり、取引先から契約更新を止められたりなど、業務や業績にまで直接的な影響が出てしまったというケースがあります。
退職希望者が会社に対する報復として行ったSNSや口コミサイトでの投稿は、一度投稿されてしまえばどこで誰の目に触れるかわかりません。
「退職代行サービスを使われたという事実に加えてその連絡さえも無視するなんてクズ会社だ」などと拡散されてしまうと、クズ会社のレッテルが貼られることで企業としての信用度が下がってしまい、取引先との関係性が悪化するなどのトラブルに発展して後悔したという企業もあります。
退職代行の連絡を無視した結果④ 今いる社員の会社に対する印象が悪くなってしまった
会社が退職代行サービスからの連絡を無視しているというのが社内で噂になった場合、今いる社員からの印象も悪くなってしまうことが考えられます。
特にワンフロアで業務を行っている会社では、特定の電話番号だけ出ないように指示を出したり、担当者に取り次がないようにと指示されたりすることで他の社員が気づく可能性は高いといえます。
その場合、「こんなクズ会社で働いていたら同じ目にあってしまう」「どうせクズみたいな対応をされるんなら自分も退職代行サービスで辞めよう」と考える社員が増えることも考えられます。
連絡を無視したデメリットとトラブルの実例:社員のモチベーションが下がってしまい業績が悪化した
前述しているとおり、退職代行サービスに対する会社側の対応は社内の誰かが見ている可能性が高いため、どうしても社内にうわさとして広がってしまいます。
実例としては、会社が退職代行サービスからの連絡を無視しており対応していないということが社員に広まってしまい、「こんなクズみたいな対応をされるなら自分で伝えたらどうなるかわからない」と会社に対する印象が悪くなり、業務に対するモチベーションも低下してしまったケースがあります。
また、「どうせクズ上司に拒否されるなら自分で伝えるよりもマシ」という理由から、退職代行サービスで辞める社員が急激に増えてしまって後悔した、という実例もあります。
退職代行の連絡を無視した結果⑤ 退職理由を聞けないため職場環境の改善ができなかった
会社側の対応として退職代行サービスからの連絡を無視し続けてしまうと、会社は退職希望者との連絡手段がなくなってしまうため、退職理由すら聞くことができないままになってしまいます。
退職代行サービスのメリットの1つに、第三者を介していることで退職希望者から本当の退職理由を聞き出しやすくなるという点が挙げられますが、会社側が退職代行サービスからきた連絡を無視して退職理由を知ることができなかった場合、職場環境を改善することも難しくなっていまいます。
連絡を無視したデメリットとトラブルの実例:次々と退職者が出て業務が回らなくなった
退職代行サービスから退職理由を聞くことができなかった会社の実例として、退職理由に直結する根本的な原因が職場環境にあるのか、人間関係にあるのかもわからないため問題解決ができず、次々に退職希望者がでてしまった、というケースがあります。
次々社員が辞めてしまう状況を改善することができず、結果的に人材不足が深刻化して業務が回らなくなってしまったという会社の実例もあります。
連絡を無視せず使われた退職代行を「逆に利用する」!退職代行業者への正しい会社側の対応
上記では、会社側の対応として退職代行サービスからの連絡を無視した場合のトラブルやデメリットの実例を紹介してきました。
ここでは、前述したような事態を避けるための会社側の正しい対応となる、使われた退職代行サービスを利用するための注意点を紹介していきます。
「退職代行サービスはクズだ」というイメージが先行しすぎてしまうと感情的になってしまうことがあるかもしれませんが、退職代行サービスを上手く使えば、退職希望者と直接退職手続きを進めるよりもトラブルなく、短期間で完了できる可能性も高まります。
「どうせ退職代行サービスの連絡を無視しても退職が成立してしまうなら短期間で済ませたい」という人や、「退職代行サービスから退職理由を教えてもらい今後に活かしていきたい」という人は、ぜひ下記をチェックしてみてください。
正しい会社側の対応① 退職代行からの連絡は無視せず早めに対応する
これまでも繰り返しお伝えしているように、会社側が退職代行サービスからきた連絡を無視したとしても退職意思を伝えてから2週間が経てば退職は成立します。
そのため、2週間の中で必要な退職手続きを踏んで回収すべきものを回収しておいた方が、会社としても無駄な出費や労力なしで退職手続きを完結させることができます。
正しい会社側の対応② 本人への連絡は避ける
退職代行業者は、会社から退職希望者へ直接連絡することはしないようにと必ず伝えてきますが、実際には本人に直接連絡してしまう会社もあります。
ただし、退職代行サービスを使っている時点で退職希望者本人は会社からの連絡を拒否しているため、会社から本人に直接連絡しても無視されることになります。
退職代行サービスから連絡しないようにと伝えられているにも関わらず会社が直接連絡した場合、会社としては「これまでの感謝を伝えたかった」「どうしても一言だけ話したかった」などの意図があったとしても、退職希望者からすればクズ上司からの嫌がらせだと取られてしまうことが多いといえます。
退職希望者からみた会社へのイメージはさらに悪化してしまい、SNSで投稿されるなど会社にとってのデメリットが増えてしまう原因になるため注意が必要です。
正しい会社側の対応③ 有給消化の要望は受け入れる
有給休暇の付与対象になっている従業員から退職時に有給消化を求められたのであれば、会社は認めるしかありません。
通常時であれば会社には時季変更権があり、該当の従業員が有給休暇をとることによってどうしても業務に支障がでてしまうなどの正当な理由があれば、有給休暇をとる日を別日に変更させることが可能です。
ただし、退職時の有給消化では退職日以降に有給休暇を移動することができないため、会社は有給消化を拒否すること自体できません。
トラブルになって後悔が残ってしまう可能性を下げるためにも、もしも従業員から有給消化の希望があれば残日数の確認など手続きに向けて迅速に動き出すことをおすすめします。
正しい会社側の対応④ 怒らないで冷静に対応する
退職代行サービスを使われた会社で、そのときの怒りに身を任せて「自分で辞めたいとも言えないなんてクズだ」などと退職代行サービス事業者に怒鳴り散らす会社もありますが、そのようなことをしても退職が覆ることはありませんので、意味も効果もありません。
中には退職代行サービス事業者に対して強い要求をする担当者や社長も存在しますが、退職代行サービス事業者はあくまでも「退職希望者側の代弁者」であるため、退職希望者の要望に応える義務はあっても、会社側の理不尽な要求を聞く義務はありません。
そのため、会社側が一方的に何か理不尽な要求をしたところで、退職代行サービスにはそれを聞く筋合いがなく、最終的には退職代行業者から見切りをつけられて連絡が途絶えてしまう原因にもなりえます。
退職代行サービスと連絡が途絶えるということは、会社からすれば退職希望者との連絡も途絶えることになるため、その後の退職手続きが滞ってしまう原因にもなります。
正しい会社側の対応⑤ 無理やり損害賠償請求しようとしない
退職代行サービスを使われたからといって会社側の対応として損害賠償請求しても、従業員には退職の自由が法律で認められているという前提がありますので、会社が勝てる可能性はほぼないといえるでしょう。
退職代行サービスを使われたときの「自分で言わないなんてクズだ」という怒りに任せて損害賠償を請求してもコストや時間ばかりがとられてしまうことに加えて、もしも担当者が知らないだけで部署内のハラスメント行為などが原因で辞めていた場合、会社側の立場が悪くなってしまう可能性もあります。
▶退職代行は訴えられる?裁判例から損害賠償請求の回避法を極めよ
正しい会社側の対応⑥ 退職書類の要望があれば発行する
退職希望者によっては、退職代行サービス経由で退職書類の発行を依頼してくるケースがあります。
「直接話さないなら発行しない」など会社側が拒むと、退職希望者が行政に駆け込んで行政指導されるなどのトラブルに発展する可能性もあります。
また、退職希望者によっては「退職代行サービスを使ってもクズ会社が嫌がらせをしてきた」とSNSなどで触れまわる可能性もあります。
これらのデメリットを考えても安易に退職書類の提出を拒否することなく、退職希望者の自宅住所へ郵送することも含めて、迅速に対応すべきだといえます。
正しい会社側の対応⑦ 引き止めるのではなく新たな人材の確保を進める
退職代行サービスを使われた場合には退職希望者を引き止めることはほぼ不可能であるため、どうやって退職希望者を引き止めるのかを考えて時間を無駄にするのではなく、新たな人材の確保に向けて採用活動を進めた方が効率的だといえます。
仮に新たな人材を確保できたとしても、研修期間や一人で業務を任せられるようになるまでの育成期間も考えると、できるだけ早く動き出す必要があるといえるでしょう。
会社側の対応の流れとは?トラブル回避のための注意点も紹介
前項では会社側が使われた退職代行サービスを上手く利用するために気を付けるべき注意点を紹介していますが、ここではトラブルになって後悔する可能性をゼロに近づけるために会社が知っておくべき必須知識として、退職代行サービスを使われた場合、具体的にどのような流れで手続きや会社側の対応が進んでいくのかを解説していきます。
はじめに、退職代行サービスを使われたらどのような流れで進み、会社側の対応としては何が必要なのかを簡単に項目として挙げると下記のようになっています。
【退職代行の流れ】会社側の対応② 伝えられた情報で本人確認を行う
【退職代行の流れ】会社側の対応③ 退職届を提出するよう依頼する
【退職代行の流れ】会社側の対応④ 退職届を確認し修正依頼か受理する
【退職代行の流れ】会社側の対応⑤ 貸与品の返却依頼と私物を返送する
【退職代行の流れ】会社側の対応⑥ 依頼のあった退職書類を発行する
下記では、それぞれの流れの中で会社側の対応としてどのようなものがあり、注意点は何かについてより具体的に解説していきます。
【退職代行の流れ】会社側の対応① どこが運営する退職代行か確認する
退職代行サービスには種類があり、運営元がどこになっているかによって労働組合、弁護士、民間の退職代行業者の3つに分けることができます。
労働組合と弁護士、民間の退職代行業者では退職に関する対応範囲が異なっており、民間の退職代行業者は会社との交渉ができないものの、退職意思を伝えることはできますので、仮に使われた退職代行サービスが民間の退職代行業者であったとしても、連絡を無視していると2週間で退職が成立しますので意味がありません。
トラブル回避のための注意点
労働組合、弁護士、民間の退職代行業者と退職代行サービスが3種類存在していることは前述しているとおりですが、どの運営元であっても退職を拒否したり連絡を無視したりしたところで退職は成立してしまいます。
そのため、社員を引き止める目的で退職代行サービスからの連絡を無視する、「退職代行サービスで連絡してくるなんてクズだ」と対応を拒否しても会社にとってメリットはなく、退職も阻止できないため意味がありません。
ただし、民間の退職代行業者が退職に関して何らかの交渉を行ってきた場合に限って、会社側が拒否することは可能です。
【退職代行の流れ】会社側の対応② 伝えられた情報で本人確認を行う
2つ目の会社側の対応としては、退職代行サービスから伝えられた情報(部署、雇用形態、名前など)と入社時の資料とを照らし合わせることによって、本人確認を行います。
本人確認を怠ってしまうと、社内の全く異なる社員の退職手続きを誤って進めてしまっていたなどのトラブルや後悔に繋がってしまう可能性があります。
トラブル回避のための注意点
本人確認と称して退職希望者本人に連絡しても対応してもらえる可能性はほぼないに等しいほか、嫌だとわかっていて何度も連絡してくるクズ会社だと判断されてしまう可能性もありますので、仮に会社から何度も連絡したとしても、会社側の時間を無駄にした挙句印象を悪化させてしまうことになってしまいます。
▶退職代行を使われたら本人に連絡してはいけない?会社のQ&A8選
【退職代行の流れ】会社側の対応③ 退職届を提出するよう依頼する
続いて、退職代行サービスを経由して退職届を提出するように退職希望者へ伝えます。
退職代行サービスを使われたのであれば、退職希望者が出社して退職手続きを行うことはありませんので、必要な書類の取り交わしについてはすべて郵送で行うことになります。
このときもこれまでの流れと同様に会社から退職希望者へ直接伝えるのではなく、退職代行サービスを介して行い、会社に専用のフォーマットがあるのであれば事前に退職希望者の自宅へ郵送しておくとスムーズに退職手続きが進んでいきます。
トラブル回避のための注意点
会社に専用のフォーマットがある場合で書き方が間違っていたり、捺印が漏れていたりなどの理由から何度も修正が発生してしまい会社側の負担になることを防ぐためには、専用のフォーマットを送る時点で書き方に関する見本を同封しておくことをおすすめします。
郵送でやりとりすることになるため何度も修正が発生すると、その分会社側の対応時間と確認の手間が増えてしまうことから、書き方についてまとめた見本があれば安心です。
【退職代行の流れ】会社側の対応④ 退職届を確認し修正依頼か受理する
退職代行サービスを介して依頼していた退職届が届いたら、修正すべき箇所がないかを確認しましょう。
もしも修正箇所があれば退職代行サービスを介して再提出を依頼し、なければ退職届を受理して退職手続きを進めていきます。
トラブル回避のための注意点
退職届について修正依頼をする場合、どこをどのように修正すればよいのかを具体的に伝えることで、何度も修正依頼をして時間が取られてしまうということがなくなります。
担当者からすると見慣れた形式であっても退職希望者からすると見慣れない書類であることも多いため、少し手間に感じるかもしれませんが、丁寧に伝えることで一度の修正で済む可能性が高まります。
【退職代行の流れ】会社側の対応⑤ 貸与品の返却依頼と私物の返送を行う
会社から貸与しているもので回収できていないものがあれば、退職代行サービス経由でその旨を伝えて返却してもらいましょう。
また、退職希望者から退職代行サービス経由で私物の返送希望があった場合には、すべてまとめて返送することになります。
場合によっては「破棄してほしい」と退職希望者から伝えられる場合もあり、その場合は会社で処分してしまって問題ありません。
トラブル回避のための注意点
会社から貸与している品が複数あるのであれば、退職希望者の自宅へ書面で通知することをおすすめします。
書面での通知であれば直接的な連絡ではないため退職希望者も落ち着いて対応できるほか、クズ会社などのレッテルを貼られることもなく、口頭で複数伝える場合よりも抜け漏れが発生する可能性も低くなります。
【退職代行の流れ】会社側の対応⑥ 依頼のあった退職書類を発行する
上記の流れをすべて終えると、最後に退職書類を発行することで会社側の対応は完了します。
退職希望者から退職書類の発行依頼があった場合には、迅速に発行して郵送するようにしましょう。
トラブル回避のための注意点
会社側の対応として、会社に発行義務のある退職書類を発行して送付することはもちろん、仮に発行する義務のない書類であっても退職希望者から希望があったものはすべて発行したほうがトラブルになって後悔するような事態を避けることができます。
【退職理由別】もう退職代行を使われないための会社側の対応4選!
退職代行サービスを使われたことで「自分から退職することも伝えられないなんてクズだ」と感じる人もいるかもしれませんが、退職代行サービスをうまく使えば本当の退職理由を知ることもできるため、今後退職代行サービスを使われないような対策を練ることができるほか、適切な対策を講じることができれば退職希望者自体を減らすこともできます。
ここでは、社内でどんな対策をとることで退職代行サービスを使われることなく、社員の離職率を下げることができるのかについて、退職理由別に紹介していきます。
①退職理由が上司や部署内の問題→社員の相談窓口を作る
退職代行サービス経由で伝え聞いた退職理由が「クズ上司に嫌がらせを受けている」「上下関係が厳しく反抗するとひどい仕打ちをうける」など部署内の問題であった場合、該当の退職希望者のほかにも部署内で同じ悩みを抱えている社員がいる可能性が高いといえます。
一気に社員が辞めてしまうなど問題が大きくなる前に相談できる場所や窓口を作ることで、社員に退職を決意させてしまう前に退職理由を取り除くことができます。
②退職理由がハラスメントの場合→定期的に匿名アンケートを実施する、ハラスメント講習を行う
社内や所属している部署内でのハラスメントが常態化しているケースでは、「日常的にハラスメントがあるという現状を報告したことがバレると自分がターゲットになるかも」という恐怖から声を出せない人も多い傾向にあります。
一方匿名でのアンケートであれば、部署内でしか気付くことができない根深い問題だとしても記載してもらえる可能性が高まります。
また、一定以上の役職者には定期的にハラスメント講習を行うなど、ハラスメント行為を行ういわゆる「クズ上司」の態度改善を図るべく、社内的に制度を整えていくことも大切だといえます。
③退職理由が業務内容にある場合→部署異動や休職制度を整備する
業務内容に関する懸念が退職理由となっている場合、部署異動や休職制度を利用しやすい会社であれば「部署異動を希望してみよう」「休職して一度考えてみよう」など、社員が退職するという決断に至る前の選択肢が生まれます。
制度として存在してはいるものの実際に使っている人を見たことがないなどの場合、制度を整備する必要があるといえるでしょう。
④退職理由が業務量にある場合→採用活動を進める
業務量過多や毎日の残業により社員が辞めてしまった場合、新たな人材を育てて他の社員の負担を軽減するためにも、採用活動を積極的に進めるべきだといえます。
採用活動を行わずに今ある人材で何とか業務を回そうとすると、今回退職代行サービスを使って会社に行かずに退職した退職希望者の分の業務は今残っている社員へと引き継がれることになり、今残っている社員一人当たりの業務量はさらに多くなってしまうという悪循環に陥ります。
会社側の対応としては、採用活動を早急に行い社員一人あたりの業務負担を軽減することを第一に考えるべきだといえます。
退職代行の連絡を無視するとどうなる?デメリットやトラブルの実例とは、まとめ
今回は、退職代行サービスの連絡を無視した場合の会社のデメリットやトラブルの実例、退職代行サービスを活用したスムーズで正しい会社側の対応、会社がトラブル回避するために知るべき退職代行サービスの流れと対応の注意点、退職代行サービスを使われないために会社ができる対策について解説してきました。
ここまでお読みいただければお分かりかと思いますが、会社が退職代行サービスからの連絡を無視しても2週間経てば退職は成立してしまいます。
そして退職が成立した後、会社から退職希望者へ連絡する手段は一切ありません。
はじめは「退職代行サービスで辞めるなんてクズだ」「自分で連絡もできないのか」と感情的になってしまう気持ちももちろん分かりますが、どうせ退職が成立してしまうのであれば、退職代行サービスを経由したうえで会社として必要な退職手続きを進めてしまった方が効率的だといえるでしょう。
1人の社員の退職に関して余計な時間をとられてしまい、普段以上に業務負荷がかかってしまうような状況を回避するためにも、今回紹介した正しい会社側の対応を参考に適切に対処することをおすすめします。
退職代行とは。またその利用方法
退職代行とは、自分で「辞めたい」と言えない場合や、会社への要望を代弁して欲しい場合などに、会社へ行くことなく職場の人と誰とも会わないで退職手続きをすることができる退職の代行サービスです。
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