「退職代行サービスを使われた経験はないものの、もしも使われたときにどう対応すれば良いのかわからず不安」「使われたときに備えて、退職代行とは何か、どんな注意点があるのか知りたい」という担当者は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、社員に退職代行を使われた場合の対応方法を知るために必要な知識として、退職代行とはどのようなものでどんな注意点があるのか、使われた場合にどう対応すべきなのか、退職代行サービスを使われた理由として何が考えられるか、使われた際に絶対にしてはいけない対応について解説していきます。
退職代行とは?使われたら拒否できるかどうかも解説
社員に退職代行サービスを使われたとしても慌てることなく適切な対応をとるためには、まず退職代行とはなにかを知る必要があります。
メディアでも取り上げられるようになったため「名前は聞いたことがある」という人は多いかと思いますが、退職代行サービスには3種類あることや、それぞれ退職に関してどこまで対応できるのかが異なっていることを知っているという人はどのくらいいるでしょうか。
下記では、退職代行とはどんなサービスなのかをはじめとして、上記の情報を含めた会社側が退職代行サービスを使われたケースでも落ち着いて対応するために知っておくべき基本情報を解説していきます。
退職代行とは
退職代行とは、退職希望者に代わって会社を辞める意思を伝えるサービスのことで、期間に定めのない労働者の場合は法律で退職の自由が認められているため「退職代行サービスを使われたから」「本人と直接話をしていないから」などの理由で退職を拒否することはできません。
退職代行とは何かを知らない人ほど「退職代行は違法らしい」などの意見を持っていることがありますが、退職代行サービスに違法性はありません。
ただし、退職代行サービスには3種類あり、労働組合、弁護士、民間の退職代行業者のいずれかが運営しています。
そして、運営元がどこであるかによって退職代行サービスとしてどこまで対応できるのかが異なっているため、社員に退職代行サービスを使われた場合に真っ先に確認しなければいけないのは、運営元がどこかという点です。
退職代行サービスの種類と対応範囲の違いについてはこの後詳しく説明していきます。
退職代行サービスの種類・形態とは
上記でお伝えしているように、退職代行サービスはどこが運営しているのかによって3種類に分けられます。
そして、退職代行サービスを使われたケースでも適切な対応をとるために会社が知っておくべき注意点としては、3つの退職代行サービスはそれぞれ対応範囲が異なっているという点が挙げられます。
労働組合、弁護士、民間の退職代行業者が対応できる範囲についての詳細は、下記のとおりです。
労働組合 | 弁護士 | 民間の退職代行業者 | |
会社を辞める意思を伝える | 〇 | 〇 | 〇 |
有給消化の交渉 | 〇 | 〇 | ✕ |
未支給の残業代の交渉 | 〇 | 〇 | ✕ |
退職書類の発行依頼 | 〇 | 〇 | ✕ |
退職金の交渉 | 〇 | 〇 | ✕ |
訴訟などの法的な対応 | ✕ | 〇 | ✕ |
上の表をみると、民間の退職代行業者が運営する退職代行サービスでは、会社を辞めたいという意思を伝える以外の交渉や対応はできないことがわかります。
つまり、社員に退職代行サービスを使われたケースでは、どこが運営している退職代行サービスなのかをはじめに確認すべきであり、民間の退職代行業者が何かしらの交渉を行ってきた場合、会社側は拒否することができます。
注意点として、同じ退職代行サービスでも、労働組合か弁護士が運営している退職代行サービスの場合は、退職に関する交渉を行う権利がありますので、「退職代行サービスを使ったから」という理由で一方的に交渉を拒否することはできません。
▶退職代行の金額はいくら?料金相場と対応可能な範囲、安い秘密を暴露
退職代行とは違法ではないのか?
退職代行とは何かを知らない人ほど「退職代行サービスは違法ではないか」という疑問を持っている人が多い傾向にありますが、退職代行サービスは正式な退職方法の1つであり、違法ではありません。
退職代行サービスが違法だと考えている人は、「民間の退職代行業者による退職代行サービスが会社と交渉すると非弁行為(違法行為)になる」という事実が、すべての退職代行サービスに該当すると勘違いしていることが多いといえます。
繰り返しにはなりますが、退職代行サービスが退職希望者に代わって会社を辞めたいという意思を伝えることに違法性はありません。
加えて、労働組合や弁護士の退職代行サービスであれば、退職したいという意思を伝えることに加えて退職に関する交渉を行っても違法行為には該当しません。
退職代行は拒否できるのか?連絡を無視したらどうなる?
退職代行サービスを使われたからという理由で、会社側が退職を拒否することはできません。
退職を拒否できない理由は、雇用期間に定めのない労働者であれば退職の自由が認められていることが挙げられます。
退職の自由が守られているという事実は退職代行サービスを使われた場合も変わりませんので、退職希望者本人の意思に基づいている限り適応されます。
そのため、たとえ会社が退職を拒否したとしても、退職代行サービスを通じて会社を辞めたいという意思表示を行ってから2週間経過することで、会社と退職希望者の雇用関係は失われることになります。
退職代行サービスから連絡があっても退職を拒否し続け、連絡を無視したとしても退職が成立しますので、あとで貸与物の返却依頼などの確認が必要な内容があっても連絡を取ることができなくなってしまいます。
退職代行サービスを使われたからという理由で退職を拒否したり、退職代行サービスからの連絡を無視したりした場合、会社側が損をする可能性が高まってしまうため、できる限りスムーズに対応することをおすすめします。
退職代行とは直接本人に連絡してはいけないのか?
退職代行サービスを使われた場合、退職希望者は会社と直接関わる気がないと思った方が良いでしょう。
何かしらの原因があって退職代行サービスへ依頼していることを考えれば、会社が無理やり退職希望者と連絡を取ろうとしても「会社を辞めたい」という気持ちが変わることは考えにくく、むしろネガティブなイメージがさらに色濃くなってしまう可能性の方が高いといえます。
「本人に連絡してはいけない」と断言することは難しいですが、退職代行サービスを使っている時点で何らかの形で会社や関係者に悪い印象を持っている可能性があるため、直接の連絡は控えた方が無難です。
また、当人同士が直接連絡を取り合ってしまうと感情的になりやすいため、退職代行サービスを介していれば冷静に話し合えていたことでもトラブルに発展したり、会社側にとって余計なやりとりが増えてしまうケースもあります。
退職代行サービスを使われた場合は、退職希望者と直接連絡をとるために躍起になるよりも、退職代行サービスを通して確認や依頼を行った方が余計な時間を取られることもなく、スムーズに進めることができます。
退職代行を使われたらどうする?会社側がすべき対応6つ
「退職代行とは何か」を含めて、退職代行とはどんなものかイメージができていない人が知るべき基本情報については上記で理解いただけたかと思いますので、ここでは退職代行サービスを使われた際に何をすべきなのか、より実務的な内容について解説していきます。
確認を怠ってしまうと後々トラブルに巻き込まれてしまう重要事項も含まれていますので、特に社内で退職に関する手続きを担当している人や人事担当者は参考にしてみてください。
退職代行を使われたときの対応① 退職代行サービスの運営元を確認する
前項で解説したように、退職代行サービスには労働組合運営、弁護士運営、民間の退職代行業者運営の3種類があり、会社と交渉できるかどうかは運営元によって異なります。
どの退職代行サービスから連絡があったのかを明確にしておけば、公式サイトなどを調べることで運営元が3種類のうちどれに該当しているのかを判断できるため、必ず確認しておきましょう。
退職代行サービスについての確認を必須項目として挙げているのは、いたずらや嫌がらせによって本人の意思とは反した形で退職手続きを進めてしまうことを防ぐ意味もあります。
同じ会社に勤めている社員が、嫌がらせのために退職代行サービスを装って会社へと連絡するという可能性はないとは言い切れません。
確認を怠って会社が退職手続きを進めてしまった場合、手取り返しのつかない事態にもなりかねませんので、確実に確認しておきましょう。
退職代行を使われたときの対応② 退職希望者の本人確認を行う
退職代行サービスの確認を行ったあとは、退職希望者の本人確認を行いましょう。
退職希望者が本人の意思で退職代行サービスを介して連絡してきたのかを確認するというのは、上記でも触れた嫌がらせによるトラブルを避けるために必要不可欠です。
退職希望者の名前や所属部署、雇用形態などの情報が確実に一致していることを確認しましょう。
このとき、退職希望者本人に直接電話やメールをしても返信が返ってくる可能性はほとんどありません。
そもそも退職者は、会社と直接連絡をとることが難しい状況に追い込まれているために退職代行サービスを利用したという前提があるため、本人確認といえど連絡が返ってくることは考えにくいといえます。
そのため、本人確認は入社時の書類などを元に行うことをおすすめします。
退職代行を使われたときの対応③ 退職届の提出を依頼・確認する
退職代行サービスと退職希望者本人の確認がとれたら、退職届の提出を依頼します。
会社に専用のフォーマットがある場合には、郵送にて退職希望者に共有し、記入したうえで返送してもらうように退職代行サービスへ依頼しましょう。
万が一返送された退職届に不備があった場合には、その旨を退職代行サービスに伝えて再度記入と返送依頼を行います。
退職代行サービスを使われたケースでは、退職届を含めた書類提出や返却などのやりとりはすべて郵送で行うことになりますので、その点は年頭に置いておきましょう。
退職代行を使われたときの対応④ 退職届の確認・受理
退職届が到着したら、内容に不備がないかを確認して受理します。その後は、必要な退職手続きを進めていきましょう。
会社に発行義務のある書類はもちろん、場合によっては退職代行サービスを通じて退職希望者から発行してほしい書類に関する依頼がくることもあります。
その場合には、余計なトラブルを防ぐためにも可能な限り迅速に対応するようにしましょう。
退職代行を使われたときの対応⑤ 返却が必要なもの(貸与品)を伝え、私物を郵送で送る
退職代行サービスを使われたとしても、入社時に貸与したものや会社に残っている退職希望者の私物については郵送でやりとりが可能です。
会社からの貸与品や備品など、返却してほしいもの(例:PC、カードキー、制服など)は退職代行サービスを介してすべて伝え、郵送してもらいましょう。
同様に、退職希望者から私物を郵送してほしいと希望があった場合にはそれらを郵送で送りましょう。
退職代行を使われた会社がやりがちなNG対応とは?
退職代行サービスからの連絡は会社側からすれば突然来るものですので、つい感情的になったり、退職代行とは何かがわからず混乱したりすることがあるかもしれません。
ただし、退職代行サービスを介しているとはいえ、退職希望者が会社を辞めたいという意思を伝えてきたことは、バックレられるよりもはるかに効率的で会社にもメリットがあります。
退職代行サービスであれば退職理由を間接的に確認したり、貸与物の返却を依頼することもできますが、バックレられた場合には、それらの一切を確認できないまま連絡がとれなくなってしまいます。
▶退職代行とバックレどっちがいい?リスク・メリット・デメリット比較表
一方で、そのような会社側のメリットや退職代行とは何かを知らない人ほど、「本人から連絡がないなら退職は拒否する」「懲戒解雇する」などの脅しともとれるような対応をとってしまうことがあります。
これまで解説してきた内容を踏まえると、たとえ会社が拒否しても無期雇用の労働者であれば2週間経過後には退職が法的に認められるため、脅したり拒否したりする意味はありません。
むしろ、そのような対応によって退職希望者の会社に対するイメージが悪化し、口コミやSNSなどで書き込まれてしまうと会社の社会的な信用度が下がるリスクもあります。
ここでは、そのような会社にとってのリスクを高めてしまう退職代行サービスに対するNG行動を紹介していきますので、リスクを負いたくないという人は確認をおすすめします。
退職代行サービスからの連絡を無視または拒否する
「退職希望者を辞めさせたくないから」「直接連絡してきていないから」という理由で退職代行サービスからの連絡を無視したり着信拒否したりしても、無期雇用の労働者であれば2週間後に自動的に雇用契約が解除されます。
つまり、会社側が拒否しようが関係なく、退職代行サービスから連絡があった時点で退職希望者の退職は確定します。
結果が同じなのであれば、余計な時間や手間をかけることなく、できるだけスムーズに退職手続きを進めた方が会社としても負担が少なくなるはずです。
この会社側の対応をするリスクとデメリット
退職希望者からの印象が非常に悪くなり、会社の対応に関する口コミなどを投稿された場合、会社の社会的な信用度が落ちてしまう可能性もあります。
従業員の退職を拒否する
退職代行サービスを使われたからという理由だけで、会社が一方的に退職を拒否することはできません。
無期雇用の労働者であれば法律で退職の自由が認められているため、会社がこれを拒否した場合には違法行為と判断される可能性があります。
トラブルに発展して、退職希望者と会社の双方が余計な労力と時間を消費する事態にもなりかねませんので、このような対応は絶対にやめましょう。
この会社側の対応をするリスクとデメリット
強引に引き止めたり退職を拒否したりすると、違法行為と判断されるリスクがあります。
一時的な感情に任せて退職者へ嫌がらせをしたことで、会社にとっての大きなデメリットとなってしまう可能性がありますので、このような対応は絶対に避けましょう。
無理やり退職希望者へ連絡する
退職代行サービスを使われたにも関わらず、無理やり退職希望者へ連絡するというのはNG行為です。
退職代行を使っているということは、会社と話したくないという意思表示でもありますので、会社から直接連絡を行ったところで退職希望者の気持ちが変わることは考えにくく、むしろ逆効果であることの方が多いといえます。
退職希望者からすれば、会社が強引に連絡を取ろうとする行為は精神的に恐怖を感じる場合もあり、たとえそのような意図が会社にないとしても嫌がらせと捉えられる可能性が高いです。
この会社側の対応をするリスクとデメリット
退職希望者が嫌がらせだと感じた場合、報復として口コミやSNSでブラック企業である趣旨の投稿が拡散されたり、取引先に会社の社員を装って嫌がらせをされたりなど、予想できないトラブルになる可能性もあります。
有給休暇の消化を拒否する
退職代行サービスを使われた際に感情的になってしまう気持ちも分からなくはありませんが、会社を辞めるにあたって退職希望者が有給消化を希望している場合、基本的に会社が拒否することはできません。
そのため、退職希望者から要望があったのであれば、有給休暇が何日残っているのかを確認し、それを踏まえた退職日を設定するなど迅速に対応すべきだといえます。
この会社側の対応をするリスクとデメリット
有給消化したいという要望を拒否しても、労働組合や弁護士の退職代行サービスであれば交渉が可能であるため、退職にあたってやりとりの回数が増えて会社にとっても負担が大きくなってしまいます。
トラブルを避ける意味でも、嫌がらせ目的で拒否するのではなくスムーズに対応しましょう。
根拠もなく退職金の支給を拒否する
退職金の支給については就業規則で定められており、記載されている支給条件を満たしていて、不支給条件に当てはまっていないのであれば、退職金の支給を拒否することはできません。
仮に支給を拒否するのであれば、拒否するだけの理由や根拠が必要になりますが、退職代行サービスを利用することは支給を拒否できる理由にはなりえません。
この会社側の対応をするリスクとデメリット
拒否するに足る理由がなければ退職金の支給を拒否することはできませんので、このような対応をしてもただ時間を無駄にしてしまうだけといえます。
また、そのような対応をしていたことが他の社員へと伝わってしまうと、会社のイメージダウンに繋がりさらなる退職希望者の増加に繋がることも考えられます。
なぜ退職代行を使われた?使われた理由を理解して会社の転機とするには
ここまでは、退職代行とはどのようなものか、実際に連絡がきたら確認すべき内容と対応方法、トラブルのリスクがある退職代行サービスへのNG対応などについて紹介してきました。
退職代行サービスを使うというのは退職希望者にとっての最終手段であり、使ったのにはそれだけの理由があります。
会社としても、退職代行サービスを使われないためにどうすれば良いのかを考えるためには「なぜ退職代行サービスを使われたのか」を知ることが大切ですので、下記で挙げている理由をチェックすることをおすすめします。
退職代行を使われた理由① 自分で退職を言えない職場環境や上司との関係性
上司との関係性がうまく築けていなかったり、退職を言い出しにくいような雰囲気があったりする場合には、自分で会社を辞めたいと言い出すことができずに退職代行サービスを使われたと考えることができます。
また、上司に伝えても引き止められることが目に見えているという場合も同様で、引き止められて退職がうやむやになってしまうことを回避するために退職代行サービスを使うこともあります。
会社側の対応
退職代行サービスを使われたら、まずは、退職希望者の所属部署で問題が起きていないか、特定の社員の意見だけが通るような職場環境になっていないかなどを確認することが大切です。
部署ごとの雰囲気は他の部署から見えにくく、問題があっても表面化しにくい傾向にあるため、退職代行サービスを使われたという事実をきっかけとして職場環境に原因がなかったかを確認することで、退職希望者の増加を防ぐ効果もあります。
退職代行を使われた理由② 精神的に病んでしまい直接辞めたいと言える状態ではなくなった
うつ病や適応障害を含めて、精神的に病んでしまいそもそも会社へ足が向かなくなったり、出勤しようとすると体調が悪くなったりなど、直接上司に会って会社を辞めたいと言えるような精神状態ではなくなってしまった、というのも退職代行サービスを使う理由として考えられます。
会社側の対応
業務の割り振りが適切か、業務量に対して各部署の人数が足りているかなどを確認することで、次の退職希望者が出ないための対処法となります。
退職代行を使われた理由③ 日常的なハラスメント
上司や同僚からの日常的なハラスメントに悩んでいる社員の場合、辞めたいと伝えるとハラスメント行為が悪化してしまう可能性があります。
そのため、退職希望者が自分から退職したいとは言い出すことができない状況に追い込まれてしまい、退職代行サービスを使われたとも考えられます。
会社側の対応
ハラスメント行為を予防するための対処法としては、定期的にハラスメント講習を実施し、社内のハラスメントに対する理解を深めておくことが効果的です。
また、ハラスメント行為があった際に、本人はもちろん周囲も相談しやすいように相談窓口を設置するというのも一つの手です。
退職代行を使われた理由④ 慢性的な人手不足
会社の人手不足がいつになっても解決せず、採用活動にも力を入れている様子が見えない場合、状況が改善される可能性が少ないと判断され、引き止めにあわないために退職代行サービスを使われることが考えられます。
また、この場合は誰かが辞めてしまうと業務自体が回らなくなる、一人当たりの業務量がさらに増加するなどの影響がでてさらなる退職希望者が出てしまうリスクもあるため、できるだけ早い対応が求められます。
会社側の対応
人手不足を解消して社員一人ひとりの負担を軽減するために、まずは採用活動を積極的に行う必要があります。
また、人材を確保したからといってすぐに定着するわけではないため、人材教育にかける時間を確保し、その分の負担が他の社員に上乗せされないような仕組み作りが大切です。
退職代行を使われた理由⑤ 就業時間内では対応できない業務量
「退職代行を使われた理由④」にもいえることではありますが、残業をしなければこなせないような業務量を任されている場合、疲労やストレスが蓄積されて会社へ向かうことすらままならなくなってしまうことがあります。
このような場合は物理的に会社へ向かうことが困難であるため、退職代行サービスを使われるケースが多いといえます。
会社側の対応
この場合も、対処法としては積極的な採用活動が挙げられます。
一人あたりの業務量の軽減を考えたとき、人材を確保して業務を分散させることが一番の近道だといえるでしょう。
できる限り早く採用活動を進めることはもちろん、正社員の採用が難しい場合にはアルバイト・パートの採用を検討するなど、今いる社員の負担を少しでも軽減できるよう工夫することが大切です。
退職代行とは?使われた会社側がすべき対応と絶対NGの対応、まとめ
退職代行とはどのようなものか、退職代行サービスを使われた際に会社がすべき対応や注意点、退職代行サービスを使われたとしても絶対に避けるべきNG対応、退職代行サービスを使われた理由について、これまでまとめて解説してきました。
人事担当者や会社で退職手続きを行っているという人の中には、「名前は知っているけど退職代行とは何かは具体的にイメージできない」という人もいたかもしれませんが、今回の記事を読めば、退職代行とはどのようなものか、退職代行サービスを使われた際には具体的にどのような対応をすべきで、どんな対応がNG行為にあたるのかを理解いただけたかと思います。
基本的に、退職代行サービスを使われたのであれば退職希望者を引き止めることは不可能であり、退職希望者からすれば会社と直接連絡を取る気もありません。
そもそも、退職代行とはどのようなものか、どんな注意点があるのかを知らなければ、焦りから感情的になってしまうことも多く、気付かないうちにトラブルになりかねないNG対応をしてしまう可能性もあります。
「直接話したい」という気持ちは痛いほど分かりますが、余計なトラブルに巻き込まれたり時間を浪費したりする事態になりかねません。
退職代行とは退職希望者の代わりという意識で対応することをおすすめします。
また、退職代行サービスはバックレと違って正式かつ会社側にもメリットのある退職方法であり、違法性はありませんので、今回紹介した対処法を参考に落ち着いて対応していただきたいと思います。
退職代行とは。またその利用方法
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