退職代行使われたらこれを見ろ!会社がすべき対応と使われた理由や注意点

退職代行使われたらこれを見ろ!会社がすべき対応と使われた理由や注意点

人事や総務など社内の退職手続きを担当している人の中には、「もしも社員に退職代行サービスを使われたとき、どのように対応すればよいのか不安」「退職代行とはどのようなものかがぼんやりとしかイメージできない」という人も多いかと思います。

そこで今回は退職代行サービスを使われた際、焦らず対応するために必要な退職代行サービスに関する知識や、会社側がすべき対応、退職代行サービスを使われたら本人に連絡してはいけない理由、退職代行サービスを使われたことによる会社側のメリットと使われた理由、よくある質問について解説していきます。

まずは退職代行とは何かという基本的な情報から紹介し、その後退職代行サービスを使われた会社側の実務的な対応などについて解説していますので、本記事を読めば退職代行サービスについて段階的に理解を深めることができるでしょう。

  1. 退職代行とは?退職代行を使われたとしても冷静に対応するための基礎知識
    1. 退職代行サービスには3種類ある
      1. 労働組合
      2. 弁護士
      3. 民間企業の退職代行業者
  2. 退職代行を使われた時の会社側の対応6ステップ。トラブルを避ける流れと対処法を徹底解説
    1. 退職代行使われた会社側の対応と流れ① 退職代行の運営元を確認する
    2. 退職代行使われた会社側の対応と流れ② 退職希望者の本人確認を行う
    3. 退職代行使われた会社側の対応と流れ③ 退職届の提出を依頼する
    4. 退職代行使われた会社側の対応と流れ④ 届いた退職届の内容を確認し受理する
    5. 退職代行使われた会社側の対応と流れ⑤ 返却してほしい貸与品を伝え、私物が残っていれば郵送する
    6. 退職代行使われた会社側の対応と流れ⑥ 希望された退職書類がある場合には発行して郵送する
  3. 退職代行を使われた場合の注意点。本人に連絡してはいけない?連絡を無視や拒否したらどうなる?
    1. 注意点① トラブルになる可能性があるため本人に連絡してはいけない。
    2. 注意点② 退職代行をむやみに拒否するのは危険なため注意。
    3. 注意点③ 時間稼ぎのために退職代行からの連絡を無視したらどうなる?
  4. 退職代行を使われたからって手間は増えない!実は知られていない会社側のメリット
    1. バックレられるよりもはるかにマシ
    2. 結果的に短期間で退職手続きを終えられる
    3. 退職理由がわかるため職場環境の改善に繋がる
  5. 退職代行を使われた人事担当者から寄せられることの多い疑問
    1. 有給消化は拒否しても良いですか?
    2. 退職代行を使われたとしても退職金は支給しないといけませんか?
    3. 引き止めるために本人に連絡してはいけないのでしょうか?
  6. 【理由別】なぜ退職代行を使われた?使われた理由と今後の対処法5選
    1. 退職代行を使われた理由① 社内でのハラスメント行為
      1. 使われた理由
      2. 今後の対処法
    2. 退職代行を使われた理由② うつ病・適応障害などの精神疾患(精神的にツラいを含む)
      1. 使われた理由
      2. 今後の対処法
    3. 退職代行を使われた理由③ 人間関係の悪化やそれによる嫌がらせ
      1. 使われた理由
      2. 今後の対処法
    4. 退職代行を使われた理由④ 業務内容が合わなかった
      1. 使われた理由
      2. 今後の対処法
    5. 退職代行を使われた理由⑤ 慢性的な人手不足により業務量が多すぎる
      1. 使われた理由
      2. 今後の対処法
  7. 退職代行使われたらこれを見ろ!会社がすべき対応と使われた理由や注意点、まとめ

退職代行とは?退職代行を使われたとしても冷静に対応するための基礎知識

はじめに退職代行サービスについて説明すると、退職代行サービスとは退職希望者の代わりに会社を辞めたい旨を会社に伝えるサービスです。

退職代行サービスに関してよく知らないという人の中には「退職代行サービスは違法ではないか」という意見を持っている人も稀にいらっしゃいますが、退職代行サービス自体は正式な退職方法であり、違法性はありません。

また、退職代行サービスというと使われた会社からは目の敵にされてしまう傾向がありますが、実は会社側にとってもメリットがある退職方法であり、退職希望者とは間接的にやりとりを行うことになるという点を除けば、会社側が退職手続きとして行うべき内容に変化はありません。

退職代行サービスを使われた側にとってのメリットは後述しますが、まずは「退職代行サービスは違法性があるのでは」と思われる原因としても挙げられる退職代行サービスの種類と対応範囲について下記で紹介していきます。

退職代行サービスには3種類ある

退職代行に違法性がないことは上記でお伝えしているとおりですが、退職代行サービスには3種類存在しており、それぞれ対応できる範囲が異なっているため、定められている以上の対応をしてしまった場合には非弁行為(違法行為)となります。

上記を踏まえると、退職代行サービスを使われたら、まずは退職代行サービスの運営元がどこになっているのかを確認することが大切であることをよくご理解いただけるかと思います。

3種類の退職代行サービスそれぞれがどこまで違法性なく対応できるのかについては、下記を参照してみてください。

労働組合

労働組合は団体交渉権を持つため、退職希望者の代わりに会社を辞めたいという意思を伝えることに加えて、退職に関わる事項について会社と交渉することが可能です。

退職に関わる事項とは、有給消化や支払われていない残業代の請求、退職金の請求、退職書類の発行依頼などが挙げられます。

弁護士

弁護士の退職代行サービスは、労働組合と同じく会社を辞めたいという意思を伝え、会社と退職に関する交渉を行うことも可能であることに加えて、裁判や訴訟などの法律的な対応も可能です。

つまり、労働組合か弁護士の退職代行サービスを使われた際には、退職手続きを進める中で退職代行サービスが交渉してきたとしても違法行為になる可能性はありません。

民間企業の退職代行業者

労働組合や弁護士とは異なり、民間の退職代行業者が対応できるのは会社を辞めたいという意思を伝えることに限られています。

そのため、法律的な対応ができないことはもちろんのこと、万が一民間の退職代行業者が有給消化や残業代の請求等に関して交渉してきた場合には、違法行為となる可能性があります。

この場合は、何らかの交渉をされたとしても退職代行サービスを使われた会社側も対応を拒否することが可能です。

退職代行サービスの種類と対応範囲については、下記の記事でも詳細を解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
退職代行とは?使われた会社側がすべき対応と絶対NGの対応

退職代行を使われた時の会社側の対応6ステップ。トラブルを避ける流れと対処法を徹底解説

退職代行サービスの種類と対応範囲は上記に記載しているとおりで、どの運営元がどこまで対応できるのかを知っておくだけでも、退職代行とはどのようなサービスなのかをより深く理解することができたかと思います。

続いてはより具体的な内容として、退職代行サービスを使われた際に会社側がどのように対応すべきかという点について、実際の流れに沿って解説していきます。

退職代行使われた会社側の対応と流れ① 退職代行の運営元を確認する

退職代行サービスを使われたら、退職代行サービスから会社へ電話連絡が入ります。

その際に必ず確認すべきは、前項で解説した退職代行サービスの運営元です。

労働組合、弁護士、民間企業の退職代行業者のうち、どの組織が運営している退職代行サービスなのか予め確認しておくと、何度もやりとりをする必要が無くなります。

退職代行使われた会社側の対応と流れ② 退職希望者の本人確認を行う

退職代行サービスの運営元について確認したあとは、該当の退職希望者の本人確認を行います。

氏名はもちろん、所属部署や雇用形態などを入社書類と照らし合わせて確認することで、他の社員の退職手続きを間違って進めてしまうなどのトラブルを防止することができます。

ただしこの時注意が必要なのは、直接退職希望者本人に連絡してはいけないという点です。

退職代行サービスを使われたということは、退職希望者は会社と直接のやりとりはしたくないという意思表示でもありますので、直接本人に連絡してはいけないことに加えて、退職希望者の家族に突然連絡するということも避けるべきだといえます。

退職代行サービスを使われたら退職希望者本人に連絡してはいけない理由としては、仮に退職希望者へ連絡しても対応してもらえない可能性が高いほか、余計なトラブルの元になってしまうことが挙げられます。

もしも退職希望者に確認したい点や通知したい内容がある場合には、郵送で対応するようにしましょう。

退職代行使われた会社側の対応と流れ③ 退職届の提出を依頼する

退職希望者の本人確認が完了したあとは、退職手続きを進めるにあたって退職代行サービス経由で退職届の提出を依頼します。

このとき、会社指定のフォーマットがあるのであれば先に退職希望者へ郵送しておき、記入したうえで返送してもらうよう退職代行サービスを介して伝えましょう。

退職届のフォーマット送付の際には、記入や捺印漏れを防ぐために付箋などで印をつけたり、記入見本を同封したりしておくと、会社と退職希望者の双方にとって何度もやり取りする手間を減らすことができるためおすすめです。

特に退職届のフォーマットに指定がないのであれば、退職代行サービスへその旨を伝えて退職届が到着するのを待ちましょう。

退職代行使われた会社側の対応と流れ④ 届いた退職届の内容を確認し受理する

退職届が届いたら、修正が必要な箇所や記入漏れがないかを確認します。

もし修正が必要なのであれば、退職代行サービスを介して修正点を伝えて退職希望者に対応してもらうことになります。

この場合も、直接退職希望者本人に連絡してはいけないという点を忘れないようにしましょう。

また、修正等が必要なければ届いた退職届を受理して必要な退職手続きを進めていきます。

退職代行使われた会社側の対応と流れ⑤ 返却してほしい貸与品を伝え、私物が残っていれば郵送する

退職届を受理したあとは、入社時に貸与したものの中で返却してほしいものを退職希望者へすべて伝えて、郵送で返却されるのを待ちます。

このとき、返却してほしいものが複数あるのであれば書面にまとめて退職希望者へ郵送しておくと、抜け漏れがなく安心です。

また、会社内に退職希望者の私物が残っているケースで、退職代行サービスを通じて返却希望があった際には郵送で返却しましょう。

退職代行使われた会社側の対応と流れ⑥ 希望された退職書類がある場合には発行して郵送する

退職代行サービスを通じて退職書類の発行依頼があった場合には、発行のうえ郵送で退職希望者へ送りましょう。

仮に会社に発行義務がない退職書類だとしても、退職希望者から希望があった場合には余計なトラブルを回避するためにも迅速に発送しましょう。

会社側が退職希望者から返却や発行を求められる可能性がある退職書類は下記にまとめて記載しています。

・健康保険資格喪失証明書
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・源泉徴収票
・離職票
・厚生年金基金加入員証
・退職証明書

退職代行を使われた場合の注意点。本人に連絡してはいけない?連絡を無視や拒否したらどうなる?

退職代行を使われた場合の注意点。本人に連絡してはいけない?連絡を無視や拒否したらどうなる?

ここまでは退職代行サービスを使われた際の対応方法とその手順について解説してきましたが、ここからは会社側が知っておくべき注意点について解説していきます。

退職代行サービスからの連絡を受けた際に本人に連絡してはいけないというのは本当なのか、本人に連絡してはいけない理由は何か、もしも退職代行サービスからの連絡を拒否したらどうなるのかなど、担当者が実際に対応するうえで疑問を持ちやすい内容や注意点をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

注意点① トラブルになる可能性があるため本人に連絡してはいけない。

退職代行サービスを使われた会社の中には、本人に連絡してはいけないと分かっていても、どうしても退職希望者本人と直接連絡を取ろうとする企業があります。

ただし退職代行サービスを使われた際、担当者はもちろん直属の上司なども含め、本人に連絡してはいけないということは共通認識として周知しておく必要があります。

本人に連絡してはいけない理由は、退職希望者が退職代行サービスを使ったのは、会社との関わりを絶って辞めるためであり、会社から連絡が来ること自体に恐怖を感じる可能性もあるためです。

なぜ退職代行サービスを使われたのか理由を考えたとき、上司からの引き止めやハラスメントなど退職希望者自身では会社を辞めたいと言えない状況に追い込まれてしまった理由があるはずです。

そのような理由を踏まえて、会社を辞めるための最終手段として退職代行サービスを利用していることを考えると、会社から直接本人に連絡しても退職希望者に対応してもらえる可能性はゼロに等しいといえるでしょう。

もっといえば、会社がどんな理由で連絡したとしても、退職希望者からすると嫌がらせとして捉えられてしまい、会社のイメージダウンになるような口コミやSNS投稿をされてしまう可能性もあります。

注意点② 退職代行をむやみに拒否するのは危険なため注意。

退職希望者が無期雇用の場合、法律で職業選択の自由(=退職の自由)が認められています。

上記の内容は、仮に退職代行サービスを使われたとしても適用されますので、会社側があまりにも強引に引き止めたり、脅しとも取れる言動で退職すること自体を拒否したりすると、在職強要として違法と捉えられるケースもあります。

そのため、「退職代行サービスを使われた」という理由で感情的になって、むやみに拒否するというのは絶対に避けましょう。

一方、冒頭で解説しているように、退職代行サービスの運営元によっては会社に交渉する権利がないため、会社を辞めたいという意思を伝える以外に何らかの交渉をしてきた場合については拒否できることもあります。

詳しくは下記に記載していますので、ぜひご確認ください。

注意点③ 時間稼ぎのために退職代行からの連絡を無視したらどうなる?

退職代行サービスからきた連絡を無視または拒否したとしても、退職希望者が無期雇用なのであれば、会社を辞めたいという意思を伝えてから2週間後に退職が成立します。

そのため、会社側が退職代行サービスからの連絡を無視し続けたままで2週間が経ち、退職が成立した場合には、退職希望者から貸与品を回収したり、必要な退職書類への記入を依頼したりすることができなくなります。

つまり、入社時に貸与したパソコンや社用携帯、制服、セキュリティカードなどについても回収できなくなってしまうため、一時的に感情的になってしまったことを理由に退職代行サービスからの連絡を無視した場合、結果的に困るのは会社側でしかありません。

そのため、本人に連絡してはいけないというのをデメリットとして捉え、わざと退職代行サービスからの連絡を無視し続けたとしても、状況を悪化させるだけだといえるでしょう。

退職代行を使われたからって手間は増えない!実は知られていない会社側のメリット

「退職代行サービスを使われたから本人に連絡してはいけない」という事実や退職代行サービスへの勝手なイメージから、退職代行サービスを使われたら会社にとって手間が増えるように感じている人がいるかもしれませんが、そのようなことは全くありません。

むしろ退職代行サービスによって生まれるメリットの方が多いため、ここでは退職代行サービスを使われても手間が増えない理由となる、退職代行サービスのメリットを3つ紹介していきます。

バックレられるよりもはるかにマシ

退職希望者の中には、会社とこれ以上関わらずに即日退職したいという思いから退職代行サービスを使う人が多いですが、その思いを叶える手段は退職代行サービスかバックレるかしかありません。

そして、退職代行サービスを使われた際には、直接本人に連絡してはいけないものの退職代行サービス事業者を介して退職希望者の意向を確認したり郵送でやり取りしたりできますが、バックレられた場合にはそれらが一切できなくなってしまいます。

退職代行サービスであれば、退職代行サービスを介して間接的に退職希望者とのやりとりができるほか、必要があれば郵送で貸与品の一覧を通知して郵送で回収することもできるため、バックレと比較して大きなメリットがあるといえます。

バックレと退職代行サービスの具体的な違いについては、下記の記事でまとめています。
退職代行とバックレどっちがいい?リスク・メリット・デメリット比較表

結果的に短期間で退職手続きを終えられる

退職代行サービスを使わず、退職希望者と会社が直接やりとりをした場合、お互いが感情的になってしまったり、退職希望者と上司の間で退職に関する情報の食い違いがあってトラブルが発生したりするリスクがあります。

そのようなトラブルがあると、退職手続きの工程自体が複雑化し、やりとりの回数も増えてしまうことが考えられるため、進捗状況の確認などにも時間がかかってしまいます。

一方で、退職代行サービスであれば、退職代行サービス事業者は会社を辞めることに関する知識が豊富であり、退職手続きの中で会社が必要としている情報も理解しているため、退職希望者の意向をまとめたうえで、必要な情報を明確に伝えてくれます。

そのため、結果的には退職代行サービスを使われた時の方が退職手続きをスムーズに進められた、というケースが多いです。

退職理由がわかるため職場環境の改善に繋がる

退職代行サービスを使われたケースでは、退職代行サービス事業者を介して退職理由を聞くことができます。

さらに、退職理由は退職希望者が直接伝えるわけではないため、退職理由を伝えること自体のハードルが下がり、退職希望者にとって正直な退職理由を伝えやすい状態になっています。

直属の上司からのハラスメントや部署内でしか知られていないいじめの存在など、直接当人同士で退職手続きを行う際には聞けないような退職理由についても聞くことができる可能性が高まります。

このような退職理由こそ会社側としては早急に改善すべき点であることはもちろん、次の退職希望者が出ることを防ぐための対処法にもなりえるため、会社側は退職代行サービスを使われた事に対してショックを受けたり、落胆したりする必要はありません。

退職代行を使われた人事担当者から寄せられることの多い疑問

退職代行サービスを使われた時でも冷静に対処するために必要な知識はここまででご理解いただけたかと思いますが、ここではさらに実務的な内容に関して、寄せられることの多い質問とその解答を紹介していきます。

有給消化は拒否しても良いですか?

会社は、社員に退職代行サービスを使われたことを含めてどんな理由があったとしても、会社を辞める際に有給消化を希望された場合は基本拒否することはできません。

退職希望者が長年働いていた場合などは特に、「直接言ってほしかった」という気持ちもあるかもしれませんが、どのような理由があるにせよ、有給消化を拒否すると余計なトラブルになって逆に会社側の手間や工数が増えたり、周りの社員からのイメージダウンに繋がってしまったりすることが考えられる。

そのような事態を防ぐ意味でも、退職希望者から有給消化の希望があった際には、退職代行サービスから連絡があった時点で有給が何日残っているのかを確認し、申請手続きの案内などを迅速に進めるべきだといえるでしょう。

退職代行を使われたとしても退職金は支給しないといけませんか?

退職金制度の設置は会社の義務ではありませんが、もしも退職金制度がある会社の場合、単に退職代行サービスを使われたという理由で退職金の支給を会社側が拒否することはできません。

会社側が退職金の支給を拒否できるケースがあるとすれば、下記のような理由がある場合です。

・退職金の受給条件に当てはまっていない
・不支給条件に当てはまっている

そのため、退職代行サービスを社員から使われたという理由だけで拒否することはできません。

引き止めるために本人に連絡してはいけないのでしょうか?

退職代行サービスを使われた際、会社が退職希望者と直接話す機会はないため、引き止めることは物理的に不可能です。

また、退職希望者本人に連絡してはいけないということはこれまで繰り返しお伝えしているとおりで、直接連絡を取ろうとすればするほど会社に対する印象が悪くなってしまい会社にデメリットしかないため、何かと理由をつけて退職希望者を強引に引き止めようとするのは不可能であり、「本人に連絡してはいけない」というのも必ず守るべきだといえます。

【理由別】なぜ退職代行を使われた?使われた理由と今後の対処法5選

【理由別】なぜ退職代行を使われた?使われた理由と今後の対処法5選

退職代行サービスを使われた当初は担当者もショックを受けるかもしれませんが、退職代行サービスをなぜ使われたのか、その理由を考えることによって今後の対処法としてどのような対応をすべきなのかを知ることができます。

まずは下記の例について確認していただき、退職代行サービスを使われた時にはどのような理由が考えられるのかを知るとともに、数ある理由の中でも自社の社員によって退職代行を使われた理由がどれに当てはまるのかを確認することをおすすめします。

退職代行を使われた理由① 社内でのハラスメント行為

退職代行サービスを使う人の中には、上司からのハラスメント行為に悩んで退職代行サービスを使わざるを得なかったという人も少なくありません。

特に、本来であれば会社を辞めたいと最初に伝えるべき直属の上司からハラスメントを受けている場合では、退職希望者が言い出すことは難しいといえます。

使われた理由

直属の上司からのパワハラやセクハラを受けている場合などで、面と向かって「あなたのハラスメントが嫌だから辞めたい」と言えないから、などの理由が考えられる。

今後の対処法

ハラスメント講習の実施。該当者はもちろん、社内全体でハラスメントに対するリテラシーを高め、ハラスメントが起こりにくい環境づくりを進める。併せて、ハラスメントの存在を報告しやすいような窓口を作る。

退職代行を使われた理由② うつ病・適応障害などの精神疾患(精神的にツラいを含む)

うつ病や適応障害など、すでに診断を受けている場合はもちろん、精神的に辛くて会社に出社しようとすると涙が出る、夜不安で眠れないなどの理由で退職代行サービスを使う人も多く、その場合は回復に時間がかかってしまうことも少なくありません。

使われた理由

業務量過多や人間関係によるストレスから精神的に影響が出てしまい、動くことすらままならず物理的に自分で退職手続きを行うことができないなどの理由が考えられる。

今後の対処法

現在休職制度を設けていない場合には、いきなり退職する以外の選択肢を作る意味で休職制度の導入を検討する。
また、復職したときに該当者の負担がなるべく少なくなるように時短勤務制度なども併せて検討する。

退職代行を使われた理由③ 人間関係の悪化やそれによる嫌がらせ

上司や教育担当、同期との関係性はもちろん、部署内での嫌がらせなど人間関係に悩みを抱えてしまい、ストレスが蓄積されたことで退職代行サービスを使う人は多く、この状況で退職代行サービスを使わずに我慢し続けると、退職代行を使われた理由②のような精神疾患を発症してしまうケースもあります。

使われた理由

辞めたいと感じた元凶となっている人が身近にいて、会社を辞めたいと伝えたことを知ったら何をされるかわからないという恐怖心があるなどの理由が考えられる。

今後の対処法

特定の人だけが残業を強いられたり、適切に評価されていなかったりなど、部署内でしかわからない問題は表面化しにくく、自分が標的にならないよう外部へ報告する人もいないことが多いため、部署内で問題が起こっていないかを確認する。

退職代行を使われた理由④ 業務内容が合わなかった

業務内容が希望していたものではなくモチベーションが上がらないなど、業務内容に懸念があり退職代行サービスを使う人もおり、その多くは配属されてから日が浅いため自分では言い出せないと感じていることが多い傾向にあります。

使われた理由

前に聞いていた配属先と異なっていることで業務内容に身が入らない、そもそも業務内容が性格的に合わないなどの理由が考えられる。

今後の対処法

部署異動などの制度を社員が使いやすいように整備する。制度はあっても誰も使っていない、使えるような雰囲気ではない、申請方法が複雑すぎるなどの場合は制度がないのと同じであるため、社員が使いやすいような配慮として定期的に意見交換できる場や窓口を設置する。

退職代行を使われた理由⑤ 慢性的な人手不足により業務量が多すぎる

長い間勤めていたものの、人手不足が改善されることがないため一人あたりの業務量があまりにも膨大になり、それにより毎日残業を強いられているのに残業代が出ないなど、体力的にも限界を迎えて退職代行サービスを使う人も少なくありません。

使われた理由

常に人手不足なのに採用活動を行っていないため、社員一人あたりの業務量が多く、長時間の残業が続くことで精神的かつ身体的にストレスが溜まったこと、長い間勤めていたため今更辞めたいと伝えにくいなどの理由が考えられる。

今後の対処法

採用活動の推進。慢性的に人手不足なのであれば、1度退職代行サービスを使われたあとでたて続けに退職希望者がでてしまう可能性もあるため、採用活動を加速させてまずは人材を確保し業務量の分散を図るべき。

退職代行使われたらこれを見ろ!会社がすべき対応と使われた理由や注意点、まとめ

今回は、社員から退職代行サービスを使われた際に会社が落ち着いて対応するための知識として、退職代行サービスの種類や会社側の対応の流れ、本人に連絡してはいけないなど退職代行サービスを使われた時の対応に関する注意点、退職代行サービスのメリットや使われた理由などについて解説してきました。

本来であれば退職代行サービスではなく、退職希望者本人から直接話を聞きたかったという気持ちも分かりますが、退職希望者にも退職代行サービスを使うだけの理由があるということは、本記事の内容を通してご理解いただけたかと思います。

退職代行サービスを使われたとしてもそれが会社側の負担を増やすようなことはなく、むしろ本人に連絡してはいけないなどの基本的な注意点さえ抑えておけば会社側にとってのメリットも多いといえます。

退職代行サービスはあくまでも正式な退職方法の1つで、より退職手続きを円滑に行うためのサービスであることをご理解いただければ、会社側と退職希望者の双方にとってメリットの大きいサービスだといえるでしょう。

≫ カテゴリ「退職代行サービスの教科書」の記事一覧

退職代行とは。またその利用方法

退職代行とは、自分で「辞めたい」と言えない場合や、会社への要望を代弁して欲しい場合などに、会社へ行くことなく職場の人と誰とも会わないで退職手続きをすることができる退職の代行サービスです。

男の退職代行」「わたしNEXT<女性の退職代行>」では、辞めたいのに会社が辞めさせてくれない方や、パワハラなどのハラスメントで苦しんでいる方、退職したいと言えない方、うつ病やうつ症状などで精神的につらい方の味方になり、次の一歩へ進むための助けとなるべく退職代行サービスを提供しています。
また、退職手続きについてもしっかりサポートしますので、退職の流れや手続きがよくわからない方でも安心してお任せいただけます。

男の退職代行」「わたしNEXT<女性の退職代行>」の退職代行サービスは、退職成功率100%、即日当日退職、有給休暇消化後の退職、全国対応、24時間いつでも無料相談(LINE、メール、電話)が可能で、退職だけでなく転職成功への近道でもある転職サポートも無料で提供しています。

いつでもお気軽にご相談ください。

   
トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました